前回の梵字クイズ、お分かりいただけましたでしょうか?
今回は、種子(しゅじ)についてのお話です。
私たちが目にする機会が多い梵字は、この種子ではないでしょうか?
種子とは、
仏、菩薩の持つ功徳、悟り、誓願を梵字一字あるいは二字で表記した、
つまりその主尊を象徴する文字のことです。
そもそも種子は、サンスクリット語のビージャ(bīja)の訳で、
植物の種という意味です。
尊像と種子では形相に違いはありますが、
花や葉と種の関係のように同一生命で結ばれていると説かれています。
一つの種からたくさんの果実を生ずるように、
一字の種子は無量の功徳をもたらしてくれるとされています。
弘法大師空海も、種子も尊像と同じように密教の教理をあかす
重要なキーワードとして大切に扱っていました(「即身成仏義」から)。
種子の定め方はさまざまで一定していませんが、一般に
・真言の冒頭の文字
・真言の中間の文字
・真言の末尾の文字
・各尊梵名の頭文字(イニシャル)
をあててあるものが多いです。
諸尊はみな種子を持ちますが、仏教各宗派、各経典の別によっては、
複数の種子を持つ尊もあります。
次回からは、身近なところにある種子を紹介していきます。
*種子は種字、種子字とも言います。
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